撫ぜられた棘



自分は誰にとってもいてもいなくても良い存在、に押しつぶされないようにするのにいっぱいいっぱい
それがどれだけ特別なことだったか、
社交辞令だったのに 自分だけに向けられたものと勝手にかんちがいしたのはこちらだというのに

身のほどを知れ!って言い聞かせていかないとすぐに調子にのってしまうから
自分じゃないだれかの功績を纏うな

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前回のブログのはなしのつづきで、
映画を観るなら「吹き替え」じゃなくて必ず「字幕」を選ぶ、というのも「活字が好き」っていうのと関係あるのかも、と思いつきました
わたしはどうしてもアニメとか映画とかの、製作者がいっぱい演じ手もいっぱい、っていうのが負担なのだよな
「演じる」という点で作者の手から伝えたい意図が離れている気がするんだよ??、?よくわかんないけど
本が好きなのは、演じている主人公を見ているんじゃなくて主人公そのものになれるからなのかもしれない(すいません今思っただけの適当なことをいっています)

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ヲタクの人たちに、「好き」な何かをたずねると、その多くに「あんスタ」と返ってくるので
そんなに誰しにも魅力的に思える誰かがいるってことですか!ではわたしも!と身勝手に期待して見るんですけど、
一人称が「俺様」とかの人がいる時点で無理!ヒェイとりはだ!ってなってしまう、
雑誌の半分よりうしろによく組まれている、ジャニーズだか韓国めいたグループの売り出し記事を見ても
ふ〜んこれが世にいうかっこいいなんですか〜( ˙σ-˙ )という心の凪、たとえそれがかけだしでも有名だとしても

じゃあどんなひとが、といわれると ほわほわしているひと がいいなあ(なんだろうね、でも見られることを前提としている自覚しているふわふわは違うんだよな)
なんでこういう人は恋愛ゲームの相手として用意されないんだろう
まずそんなひとはアイドルにはならないのか…

理想的なキャラクターを挙げて、と問われたらわたしは『ひらやすみ』のヒロトくんをあげます
だからなのかな 2次元にハマらないのは 説得力として申し分ないのかな

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Jerry Paperさんを、高樹さんが「ヘンなおじさん」と称してて ですよねーと納得するなど
わたし、「曲と内容どちらもよくておすすめしたいPVを挙げてください」と言われたら
ここ数年は彼の"Cholla"なんだけど(ぜひみてみてほしい🏜)
紹介されてた新しめの"Just Say Play"もだいぶイカれてた、ヤッベーなという気持ち🚗

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今日からポケモン新作発売ですね、お買い求めのかたぜひフレンドになりましょう(XY以来プレイしていないのでそういう制度があるのか知らないけれども / ないわけはないはず)
わたしは息子に御三家を選んでもらって、こっちの世界に引きずりこもうとおもっています✯⌁͛(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)⚡︎ぴかちゅう
バトルも図鑑もガチ勢です みんなに「ぽくないね」といわれようとグライオンがすきです(そしてユキハミ おしり)

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好きとわかっている作家の読んだことのないものを選ぶのは疲れているということ

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『かけら』青山七恵

青山さんすごくよかったので他の作品も読みたくって
でも長編を読める元気がなかったから短編集の薄めのをと手に取ったもの、あいかわらずきれいに着地しなさが絶妙

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"首元まできっちりボタンをとめたポロシャツ姿の父は、そういう風景に貼り付けられた一枚の切手みたいだった。"
"押し付けがましい幸せの鐘の音を、ほとんど動きのない風景が分厚い紙ナプキンのようにゆっくり吸い込んでいく。"


↑〜みたい、〜のよう、の表現としてすばらしすぎる

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"母は「たまにはお父さんと二人もいいじゃない」と言っていたけれど、確かに父と二人で出かけたことなど、記憶にない。相当小さいころはそんなこともあったかもしれない。ただ、もともと父は子どもの扱いがうまいほうではないし、口数も少なく冗談などは口にしない人だった。年頃になったわたしが父を「お父さん」でなく「遠藤忠雄」という人間として観察してみようとしても、磁石の同極同士のように、「お父さん」以外の視点を持ったわたしから、「遠藤忠雄」は一定の間隔でふよふよと逃げてしまうようだった。"

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"ようやく窓の外に赤い実をつけたさくらんぼの木が見え始めると、喋りつかれてうとうとしていた女たちがうわあと口々に叫び、車内が急に騒がしくなり、それにうんざりしたかのようにバスが力なく停車した。"

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"二年間、それなりにいろんなことがあったはずなのに、僕が覚えている小麦との思い出は全て気恥ずかしさとしらけた気持ちをまぜこぜにしたもので表面がコーティングされていて、当時の感情はその下で冷たく固まってしまっている。だから、小麦を思い出すことはあっても、ガラスケースに展示された古文書を眺めるみたいに、そこにあったはずの意味とか、なまなましさはもう伴わない。"

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"僕は、身の回りに起こるあらゆる事象を、自分が大人になったと感じられるかどうかで価値を測るようなところがある。朝、結婚を約束した人と会社へ続く地下道を歩く、というのも、僕の中ではかなり「大人」の部類に入る。"

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"この人の黒目の中には、帰ってくる自分のために一日中空けられている場所がある、と秋人は思う。"


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『私に付け足されるもの』長嶋有

長嶋さんよ、な〜んであなたはこんなにも、とりたてて事件というほどでもないけど変わらない日常の中の感情の気付きがあったことを、物語として成立させるのが上手なのか〜?
私は本人を知ってから作品に触れた人だけど、長嶋さんのこと女性だとおもっていた、という人がいるのもわかるんだよな なんだか

すっごく楽しんで読み進められる短編集、「白竜」と「桃子のワープ」が好き…(特に白竜の表紙のくだり うわあほんとだアッハッハー!ってなる)
長嶋さんて なによそれ、と思って思わずググっちゃうようなもの(固有名詞)がいい塩梅で散りばめれているから好き、フィクションだけど限りなくこの同じ世界で暮らしている人たち
意味やどんな作品か知らない言葉でも周りが笑ってるから楽しくて それってなんだろうと後から調べて自分に肉付けされていくのは、生きていることのおもしろさのひとつだと思う

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"たとえばある恋人が去っていったのは、必ずしもその恋人のせいではない、私と恋人と両方のせいだ。猫には「せい」がない。猫は誰のせいでもなく、なんだかずっと居る、なんと不思議でものすごいことか。居「てくれる」のではない、でも居る。居ることに嘘がない。自分のことを大好きかどうか分からないが、仕方なく嫌々居るようにもみえない。"

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"傷つくという言葉は大げさだけども、なにか知っている人は、知らない相手に教える際、必ず「ものすごく知らない」と見積もって会話をする傾向があって、私はそれが苦手だ。「それは」分かってるんだから正確に間違いだけを正してくれ、といいたいがいえない。教わる側は常に弱いのだ。"

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"あらかじめ分かる正しさが、これが私をぜんぜん救わないんだな。"

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"「今日もタワマン (が現場)ですか」
「タワーじゃないけど家賃高いマン」 親方は楽しげだ。
「実際、今はタワーマンションって、新築はないよ。修繕ばっかり」
「そうですよね」賛同しつつ、親方の口ぶりに感じ入る。大きな震災があって以後、高級マンションは低層がウリになったことを桃子はなにかで知っていた。桃子の相槌は「知識」だが、親方のはこの仕事が長いゆえ、現場で得た「実感」だ。"

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"コンビニの店内は景色を少しも保存しない。"

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"子供は、大人が尊敬しないタイプの大人 ―昼間からブラブラしているような― により畏怖を抱くものだ。"

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"さっき「思い出すというのは、事実だけではなく実感も思い出す」と感じたが、それと逆に、実感が抜け落ちて事実しか思い出せないこともある。反対のホームに立っていたときの苦しさが、今はまるで心に生じない。ひどい二日酔いが治って、また飲もうという気持ちになっているときの、その平気な体でかつての苦しい自分を思い出せないのに近い。"

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"生きていくというのは、高度をあげていく感じが ―最近つくづく― ある。自分は電話が苦手だったんだというような後からの「気付き」で、三咲はそう思う。
二つ前の職場でいわれたあの言葉は「ハラスメント」といってよかったんだとか、あの節約のやり方は我が家だけですることだったんだとか、高度が変わったからみえてくるようなことがたくさんあるのだ。
自分は、とりあえず人間は上昇ではなく「前進」している気がしていたのだが。人生はしばしば道にたとえられるものだし。 高く上昇するイメージが薄かったのは、それが「成功」していくことの比喩のようでもあるからか。 三咲の上昇は成功している感じとほど遠い。
過去の自分の気持ちを俯瞰することができるというと全能感のある言い方だが、そんなよいものでもない。むしろ不自由に、俯瞰させられてしまう。しかも繰り返しだ。ブラック企業とかストーカーとか、折々に外部から新たな言葉を与えられたとき。 メールが広まったり、テレビが不意に薄くなったり、小さな書店がどんどんつぶれていくといった世間の変化を実感するとき。そういった変化の際にも、過去の気持ちのあれこれに気付く。"


↑さいきんの「推し活」という言葉もそうよな…ただ好きなだけなのに外部から新たな(勝手な)言葉を与えられる…(と私は若干悪い意味で捉えている 内部じゃなくて外部が決めるからかな)
昔は「毒親」という言葉もなくて「アダルトチルドレン」とかが近かった、というのと、他国語では存在する表現(単語)が日本語にはないということがたたある、ということも同時に思い出す

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"それはとても幸福なことで、笑っていなくても本当は笑い出しそうで、車窓から外をみあげれば常にそこに月光。"

↑っていう一文でしめくくられるなんてなんてすてき。(ムーンライト)

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ひ〜さしぶりに映画を観る
以来、『ドライブマイカー』のこのメインテーマをよく口ずさんでしまう(インストだけれども)
「たしかに明るくないんだけど、確実に夜ではない時間の曲」だなっておもう

いやなんだろうな、「身近な人が亡くなって残されなお生きる人の曲」かな、でもこれだと映画の内容そのまますぎる
エハラメイさんの『群れになって』とおんなじにおいがする

片想いの『踊る理由』という曲がわけもなく泣ける歌だ、ととあるラジオでゆってたけど
あれは三途の川で誰かが渡るのを見ているときにかかっている曲だなあと思った、他人の大団円を横で眺めている…
死んでいるような感覚をあたたかく含む歌がこの世にはたくさんある、ということ
ぼーくのー 泣いてる理由なんてー わからないだろー

それにしてもまーくん(岡田将生くん)はなんでこういう役ばっかりなんだろ
洒落た部屋としてみせるなら、ねじりのそこそこ大きめの観葉植物が置いてある、プラ鉢じゃなく、っていうの 世の中の理だよね
さっそくねちっこいセックス始まって、あーそうだった 原作:村上春樹 っていう文字が冒頭で流れたんだった 彼の作品ってそうだった、と思い出す
犯罪者だからすべてが悪というわけではなくて、今日言ってた意見も明日には変わってもよくてみたいな、「いろんな感情が同居してても間違ってない、その人はその人」ということを、最近はなんでも諭す気がするよ

村上春樹作品みたいな男女いるんかいな、というのの名前部分を差し替えても同等の意味になるのが(私の中では)江國香織さんだなあと思ってて、
なんかこう、一種のネタwwwみたいになってるところはあると思うんだけど
図書館で夏に特集組まれてた『ひんやりと、甘味』といういろんな作家の数ページの寄稿の寄せ集め本を読んだときに
江國さんの文体の、他とは圧倒的に違う「格」みたいなのに吹き飛ばされちゃったんだよなあ、
おんなじ日本語なのに、50音なのに、こうもか!?みたいなさあ、
(笑う人はたくさんいたとしてもその実力はたしかだ、わかってるか?と殴られたかのような)

『ひんやりと〜』に参加している別の作家が「カキ氷はエアコンの効いていないあっつい中食べないと意味がない」的なことを書いていて、わたしはそういう 名前を覚えてもいないだれかのなにかを 自分にも大事にとっといたりするんだよな
まるで自分が定めた「よいルール」みたいに
ただの枷なのに

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『ウンチク/うんこが地球を救う』

突然夫が「みんなでこれを観に行くぞー」と言い出して家族でわいわい初日に足を運んだもの
子供たちははじめての劇場だし私もいつぶりか思い出せないくらい ドキュメンタリー映画です
案の定、終わり30分は子どもたちが飽きちゃって退場したけどね、、
以来うんちするたび一礼して下水の人に感謝しています、全人類がもうちょっと知っておくべき環境問題だとは思う

星新一の、ある日底のない穴ができたのでなんでも捨ててたらあるときそのすべてが空から降ってきた、の話を思い出したりした
スカトロのいうジャンルのかなりの危うさ?あれって成り立ってるのかなと心配になったりとか…(なんて、ひどい感想だ)



これは劇場にあって鼻がフンスッってなったパキラです(よすぎて)

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◆意味

・換骨奪胎(かんこつだったい) - 他人の詩文の語句や構想をうまく利用し、その着想・形式をまねながら、自分の作としても(独自の)価値があるものに作ること。

・うらぶれる - しょんぼりと力なく、心のしおれるような状態をいう。うれいしおれる。悄然(しょうぜん)とする。

・おためごかし - 人のためにするように見せて実は自分の利益を図ること。これよく出てくるのにすぐ忘れる。

・よもつへぐい - 黄泉(よみ)の国のかまどで煮炊きしたものを食うこと。 黄泉の国の者となることを意味し、現世にはもどれなくなると信じられていた。黄金竈食と書く。千と千尋のここのものを食べないと消えてしまう〜のくだりはこれ?

・ブルーカラー - 賃金労働者のうち、広くは技能系や作業系の職種一般に従事する労働者で、肉体労働を特徴とする。対義語はホワイトカラー。

・ニッカポッカ - 鳶の人たちが履いてるズボンのことだけど、Knicker Bockers(あるVintageぬいぐるみの老舗ブランド)と一緒じゃんと思ってテンション上がった。

・斥候(せっこう) - 敵軍の動静・地形などをひそかに探り監視するために、部隊から差し向ける(少数の)兵。

・襞 - 読み方は"ひだ"

・上番報告 - 警備業界では当たり前のように使用されている、一般企業でいう出社・出勤のこと。もとは軍隊用語。上番(じょうばん)が出社、下番(かばん)が退勤。

・チョークウェア - 石膏でできた人型や動物型の置物のこと。ミッドセンチュリー期のアメリカでは東洋系アジア系の踊り子の男女ペアなど"アメリカから見た異国"の人物をモチーフにしたチョークウェアが多く作られた。よく裏面に針金で壁掛け金具になってて落ちると割れるじゃーんのアイテムの正体はこれ。

・チョンガー(総角) - 成人後も独身である男を指す朝鮮語(からかう呼称)。ラーメンズの"カマンチョメンガー"じゃん、と記憶を絡めたら元の"チョンガー"を思い出せなくなった。

・シュレーディンガーの猫 - 実際に見てみるまで二つの可能性が同時に存在すること。見た瞬間にその状態が決定するので食玩など開封していないうちは何番のオマケでもありえる 決まらず中でずっとルーレットみたいに回ってる、というのはこれという認識で合ってる?

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◆植物

コシアブラ - 5つの葉で1つと数える、若芽は食べられる。
沖縄の月桃の切り枝をたくさんいただいたので飾りつつ取れた種は植えた



黄色い実がかわい〜なと思って摘んだツルウメモドキ、
2日後くらいにぱちんとはじけてぷっくりと赤い実になっているんだもの、びっくりした とてもきれい
ドウダンツツジも見頃をむかえてて、お庭のツバキが咲き始めて、でもヘチマとカボチャがなおも実を膨らませようとしています

ついつい幹が太いもの、木化したり根が見えていてもへっちゃらなものに惹かれやすいんだけど
花を楽しむより木そのものが好きってことなのかもと気づく
煌びやかだったり艶やかだったりよりも朴訥な太いやつ、って性や恋愛の好みと共通したりするのかな(ちんちん)
だれか検証してほしい 香りを重要視したりとかさ!

あと、植物は「その子しかいない」という点がVintageととてもよく似ている、
転職するなら観葉植物屋さんになりたい

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◆自分へ 読んどいて

『本を愛しなさい』長田弘
『パパとわたし』マリア=ウェレニケ
『薬屋のタバサ』東直子
『大きな鳥にさわられないよう』川上弘美
『人生は美しいことだけ憶えていればいい』佐藤愛子
『石垣りん詩集』
『泣きかたをわすれていた』落合恵子
『日毎の美女』『孤独な夜のココア』田辺聖子(は恋愛のバイブルなの(のりこ三部作)?)(〜ココアは装丁もかわいい)
『それからはスープのことばかり考えて暮らした』吉田篤弘
『かがみの孤城』辻村深月